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日曜日、午前中から娘の嫁ぎ先からすぐにでも飛び込める海へ行ってきました。

それはそれは、豊かで、美しい海です。



いわば、今年の夏の最後を存分に楽しんで、実りの秋へ向かうために、気持ちの切り替えを目的にした海水浴でもありました。



チビ姫1号から3号が全員そろい、監視役の大人も5名。



波もなく、水温も高く、最高の海水浴日和で、大人も子供も大はしゃぎでした。



水の恐怖感をすっかり乗り越えたチビ姫1号は、浮き輪をつけながらも、水深で3メートルほどのところまで行き、さまざまな魚やウニなどをゴーグル越しに見たようで、大興奮でした。



まさにファミリー海水浴の様相…。







帰り際、地元漁業関係者が、お土産をくれました。



水揚げしたばかりのアワビ、サザエ、岩ガキ、モズクでした。

それも、山ほど。

本当に豊かな海だと、あらためて思いました。









さて、ラストサマーを飾るイベントとして、ワタクシ、先のブログにて、





 その後は、農民音楽家の名曲『御礼』のナマ演奏でも聴きながら一杯やろうと勝手に算段。



 さて、野方ガーデンはいかがなり?





と記したのは、ご承知の通りです。





その返事のメールが、当日になって携帯に着信しておりました。





タイトル 「今夜っすか(汗)」



そして、本文の一行目に、な~んと、





「デート、キャンセルしなければいけないじゃないですか」





とあるでは、あ~りませんか。



そして、こう添えてあるのです。





「店を早仕舞いして、失楽園の予定だったんですがねぇ~、しょうがねぇな~」





ゲ、ゲ、ゲ…。



『失楽園』とは、ミルトンの壮大なる叙事詩ではなく、渡辺淳一の“不倫”をテーマにした小説をさしていることは明々白々。



ほんまかいな、と思いつつ、海水浴からの帰りに野方酒店に立ちよって確認することにしました。





「失楽園ってなに? キャンセルしてもいいんか?」



と、ストレートに問うてみたところ、彼は、ニヤっとしながら、



「すんません、見栄張ってみました」



と言うのであった。



「なんか、マジになっているみたいで、焦りましたよ。シャレにきまってるじゃないっすか」





そりゃ、そうか。

不倫をする人間が、今夜は不倫です、などと宣言するバカもいないか…。



しかし、これが、その後に開かれた『ラストサマー感謝祭』において、とんでもない布石になっていたことを彼も、わたくしも、この時、まるで気がついていなかったのでした。





夜になって不良中年らが野方ガーデンに集まりました。



“婿の海”でいただいた海の幸を中心にした料理が並びます。





アワビの刺し身、肝醤油

サザエの刺し身

アワビのバター炒め肝ソース

岩ガキの炭火焼き

サザエのつぼ焼き

アワビの踊り焼き

サザエご飯ショウガ風味

牛肉のサイコロステーキ

ピリ辛ソーセージの炭火焼

奇楽庵特製“丸ごとカボチャの豚ひき肉詰め”

ゴーヤチャンプルー

夏野菜の炭火焼き、などなど…。







さてさて、夜も更け、チビ姫1号と奇楽庵の奥方が店の中に引き上げた頃から、つまり、女性の影が消えた瞬間から不良中年どものすっかり眠っていたなにかが突如起き上がり、テーマが“失楽園”方面へと向かっていったのでした。



はい、奇楽庵が“布石”を打っていたせいです。



それぞれの武勇伝が夏の闇の中で、ボソボソと語られ始めます。



武勇伝といっても、さまざまなる体験を重ねてきた不良中年ですから、うまくいった話をする人などおりません。



そんな話題を自慢気に語ったところで場がシラけるだけであることを熟知しておりますから、爆笑モノの武勇伝が次から次と出てくるのでした。



ボソボソと語っては笑いが起き、ヒソヒソとささやいてはヒヒヒヒ~と息が詰まるほどの苦しい笑いが起きました。



内容?

それは書けません。

あまりにも、あまりなのですから…。



しいて言うならば、男の悲しさ、男の情けなさ、男のバカさ加減が炸裂したような話がてんこ盛りです。



そこで、ふと思ったのです。

この不良中年たち、うまくいった経験、自慢したい話を、本当に持っていないのではあるまいか、と。

ま、そのことについて追及しないのも、大人というものであります。



それにしてもこれほど長いつき合いなのに、なぜ初めて聴くようなお笑いノンフィクション話が、次から次と出てくるのか。

その埋蔵量の豊かさに、遊び人として尊敬の念を抱かざるをえないような気分です。



そんな尽きぬ話題を繰り出した後は、農民音楽家のナマ演奏『御礼』で始まり、高校生の時に作ったという『殿町ブルース』なんて大人の唄をしみじみと歌い上げ、興に乗ったついでに、季節柄、サザンの『真夏の果実』を農民音楽家の味付けで歌い、さらに『サマータイム』に挑戦。



満天の星空を仰ぎ、行く夏を惜しみつつ、ラストサマーナイトを存分に楽しんだのでした。



ちなみに、こんな雰囲気でした。



島発2等B





さて、次は、どういう大義名分で、やりますか?
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2009.08.25 / Top↑