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わたしは滅多なことでは買い物に出ない。

買い物自体も苦手なのだが、佐渡という狭い社会、知った人と出会うことも、なんだか気が重いのだ。

立ち話、世間話という軽みのワザを持ち合わせていないからかもしれない。





今日、出産のために里帰りしている娘の買い物に運転手としてつき合った。

臨月に突入、いつ産まれても不思議ではない秒読み段階だから、緊急時に対応するためにわたしがお供することなったのだ。





あるスーパーの駐車場で、すかさずS子ちゃんに会う。

彼女は子供の頃からよく知っていて娘ともよく遊んだ仲だから、ことさらに気をつかう相手ではない。



彼女は車の運転席から大きな声で、

「殿堂入り、おめでとうございま~すッ!」と言ってくれた。

「ラジオ、聴いてましたよ」



駐車場を歩いていたわたしは、なんだか嬉しくなって体全体でヒョ~キン調にガッツポーズを何度も決めたら、

「なにしてるの」

と娘に白い眼でたしなめられたので、



「ありがとう、またゆっくりね」

と、手り振り合って別れた。





次の店へ移動し、娘が用事を済ませる間、わたしは駐車場でキセルをくゆらせていた。



すると今度は息子の友人のK山くんに会った。



こちらも気をつかう相手でもない。

なにしろ、川柳を「かわやなぎ」といった彼である。



「少し太ったか?」

と世間話の定石を、まず置いてみた。



実際、顔にふっくらとした丸みを感じたのだが、彼は即座に否定した。



「いえ、また悩みがあってですね、太れるはずもないっす。また話を聞いてもらえますか?」



彼はいつも悩みを抱えている。

たいがいは悩みとはいえないような悩みだと思うのは、わたしがそれだけ年齢を重ねてきたからだろうか。



しかし、そうは言っても、笑いながら言っているところをみると、大した悩みてはなさそうだ。



「悩みって、漢字が読めないとかか?」



「えッ、なんすか」



「かわやなぎ、とかさ」



「勘弁してくださいよ。アハハ…。

じゃ、またお願いします」

と言って同僚とともに職場へと戻っていった。





わずか1時間の外出で2人の知人と会った。

出かける前は知った人に出会うのも面倒だなとは思っていても、いざ会うと、なんだか心が温かくなるような気分になるものである。

こうしたことが佐渡に限らず狭い社会に生きることの不自由さである反面、豊かさでもあるのだな、とボンヤリと考えながら、家に戻った。





戻った直後である。

今度は、やはり息子の友人で“アポなし”のK玉くんがやってきたのだ。

こちらは、さらに気をつかう相手ではない。



「今日は、なんだ?」



「いえ、とくに用はないんですが、元気かなァと思って…」



「来る前に連絡しろっと言ったろ」



「はい、すみません」

といつものことながら言うのだが、ちっとも「すまない」などと思っている気配もない。



「次は連絡してからにしろよ。そしたら、ていちょうに断るんだからよ」



「でしょ。だから、連絡しないんですよ」



「…」



わずか1時間ちょっとの間にSちゃん、K山くんに会って、そして、そのトドメにK玉くんである。



濃密な1日だった…。
2008.11.15 / Top↑
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