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晩年近くになって権威付けされるのを嫌い、自ら「エロジジイ」ぶりを演じたとされる詩人の金子光晴は、反骨の精神を持ち続けた詩人だった。



現代のような平和な時代ではなく、大正から昭和にかけてファシズムが台頭する頃に、権力をチクリチクリと刺すにとどまらず、ザックリと切り開き、内蔵を取りだすような作品を書いた。



権力だけではなく、そこに寄りかかっている存在にも、その刃は向けられた。



たとえば、『答辞に代えて 奴隷根性の唄』という作品は、権力を下支えしている人々の鼻持ちならない心根をえぐり出した。







  奴隷というものには

  ちょいと気の知れない心理がある。

  じぶんはたえず空腹にいて

  主人の豪華な献立の自慢をする。







この出だしの4行には、ブラックなユーモアがこめられているが、読み進むにつれ、人間の深い悲しい性が描かれていることを知る。







  どんな性悪でも飲べえでも

  蔭口たたくわるものでも

  はらの底では主人がこわい

  土下座した根性は立ちあがれぬ。







居酒屋で気勢を上げて、会社批判、上司非難、政治を嘆く者がいるけれど、それも金子光晴は「土下座した根性」だといってはばからない。



そして、こう書く。







  くさった根につく

  白い蛆

  倒れるばかりの

  大木のしたで







「ウジ虫」だというのだから、痛烈である。



そして、再び、ブラックな言葉で結ぶ。







  いまや森のなかを雷鳴が走り

  いなづまが沼地をあかるくするとき

  『鎖を切るんだ。

  自由になるんだ』と叫んでも、





  やつらは、浮かない顔でためらって

  『御主人のそばをはなれて

  あすからどうして生きてゆくべ。

  第一、申訳のねえこんだ』という。









こんな詩をわざわざ紹介したのは、普天間基地移設問題についてのテレビ、新聞の報道が、あまりにも「奴隷根性」で満ちあふれているからだ。



「移転先についての結論を先送り」した日本政府に対して「アメリカは怒っている」と報じ、「日米同盟は危険水域に入った」などと無知なる民の不安を煽っている。



冗談じゃない。

「ご主人さまのアメリカが怒っている」と、脅えているのは、移設で利権を漁ろうと目論んできた自民党にほかならないのだ。



そして、怒っているのはアメリカではなく、日本、とりわけ沖縄の人々なのだというごく当たり前の、真実を書かない、報じない、自民党という「くさった根」についている「マスコミ」だけである。







政権交代によって日本の政治環境は大きく変わった。

何よりアメリカに隷属ではなく、「対等なパートナーシップ」と、鳩山民主は定義づけている。



だから、普天間基地移設問題で、利権集団の自民党が行ってきた交渉を見直すのは、当然の成り行き。

国家間の同盟にしたって、片方の国家の政治体制が変われば、さまざまな事柄が見直されて当たり前と、まともな国家ならば、理解を示す。



それが政権交代というものなのだ。



金子光晴の詩を借りれば、まさしく、それは、



「いまや森のなかを雷鳴が走り いなづまが沼地をあかるくするとき」

という状況にあり、



「『鎖を切るんだ。 自由になるんだ』と叫んでも」



自民党や、日本のマスコミ、蒙昧なる民は…。







  やつらは、浮かない顔でためらって

  『御主人のそばをはなれて

  あすからどうして生きてゆくべ。

  第一、申訳のねえこんだ』という。










2009.12.16 / Top↑
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