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祭りはバカバカしいほどいい、と昨日のブログに書いて、はるか遠い記憶の扉

が、突然、開いた。

子供の頃、会うたびに、その人は、裸だった。

北海道の網走で、夏冬に限らず1年中、裸で生活していたのではあるまいか。

全裸ではない。

膝より少し上の半ズボンをはいていた。

時には「ニコニコ裸運動」と書かれたのぼりを手にして、どこからとなく現れ、

どこかへ消えていくように走り去った。

佐渡は「裸の大将」といわれた山下清の実母の生誕の地だが、網走の「裸の大

将」は、強烈なイメージをわたしに残してくれた。



眼前のオホーツク海に流氷が押し寄せ、一面が雪原になる2月のことだったと

思う。

吐く息がそのまま凍りつくのではないか、と思うほどの寒さの中、「裸の大将」

を先頭に大勢の老若男女が流氷を切って作られた海のプールに飛び込んだシー

ンがいつまでも忘れられない。

流氷の中の寒中水泳である。

それを現場で見ていたわたしは、子供心に、なんでそんなことをやるの? バ

カじゃないの? と思っていた。



そして、数年後のある寒い日、銭湯に行くと「裸の大将」がいた。

「ワッハッハッハ、ワッハッハッハ」と笑いながら、ここでも頭から水を浴び

ていた。

頭はツルツルに剃り上げられていて子供心に近寄りがたい怖そうなイメージが

あったが、目が合うと、

「ワッハッハッハ、笑う門には 福来る」と、大きな笑いとともに、銭湯内に

響きわたる大声で言うのだった。

そしてまたある年の大晦日、小高い丘の上に建つ網走神社に初詣に出かけると、

やはり、「裸の大将」が上半身裸のままのぼりを右手に持って神社境内に走り

こんできた。

「ワッハッハッハ、新年明けましておめでとうございます。ワッハッハッハ」



「気」で生きている人の「気のエネルギー」をいただいたのだろうか…、

いま、こうした光景を思い出して、とても幸福な気持ちに包まれてくる。

この「裸の大将」は、「おいかわらかんさん」とみんなに尊敬を込めて呼ばれ

ていた。

後で知ったが、「裸の大将」は、及川裸観という名前だったようである。

裸のまま全国行脚をしていたそうだから、誰かしら及川裸観さんの姿を見た方

もおられるだろうと思う。

このような「狂気」に近い行動をする人物を、とても懐かしく思うのは、なぜ

なのだろう。

本当に懐かしい。

「ワッハッハッハ、笑う門には 福来る」

その声がいまも耳に響いてくるようだ。
2005.10.22 / Top↑
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