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平成15年11月1日、西二宮集会所で開かれた西二宮説明会には事業者である越前工務店社長が、行政書士らを従えて出席した。

「私は漁師です。海の仕事をしています。海を汚さないためにも産廃処理施設は欠かせないもの。そういった使命感でこの施設を完成させたい」

 冒頭、そんな挨拶が社長自身からあったが、すでに精神的な打撃を受けている住民の耳には素直に届いてこなかった。

広大な森の広がる大佐渡連山を背後に控えた西二宮。

その地での穏やかでのどかな暮らしが、目の前にいる営利を目的とした民間会社社長の「使命感」によって奪われようとしているのである。

説明は、主に行政書士が行った。

扱うのは安定五品目。廃棄自動車は扱わない。木くず、プラスチックなど屋内に保管するから雨水対策も万全。破砕の際には噴霧状の水を使用するから粉塵はでない。汚泥・廃油は永久に出さない。防音対策はほどこす…、

などなど説明を受けるが、専門分野に立ち入ると、質問項目さえも浮かんでこない。

「いつでも施設に入って見てもらって結構です」と胸を張って言われると、環境保全にも気を配っているのだから問題はないのではないかという思いにさせられる。

もちろん、これは住民側の明らかな勉強不足であることは言うまでもない。

現在、産廃処理施設の建設計画にさらされている方がいらっしゃるなら、産廃関連の勉強会は欠かすことの出来ないことであると、強調しておきたい。

ともあれ、西二宮住民は後になって操業後の問題点を知ることになるのだった。



問題の産廃搬入ルートである。

西二宮のど真ん中の道路だけはつかわせてはならない。

住民にとってこれだけは譲れないところだった。

それを十分に察していたのだろうと思われるが、地権者の承諾さえ得られれば、西二宮の道路は使用せず、山側からの進入路を新たに作って搬入ルートにすることを越前社長自身が口頭で簡単に約束した。

その時、住民から、次のような質問が出た。

「西二宮は通らないことはわかったけれども、北線を通ることになれば、他の集落の民家の前を通ることにならないのか?」

すると社長が、こう言い切ったのである。

「中山トンネルのそばから北線に入る道がある。そこから佐和田ダムを経由すると、民家の前を通ることはない。そのルートを使うから問題はない」

これが言葉通りに実行されていれば、おそらく問題がここまでこじれることはなかったに違いない。

なぜ、このような嘘をついたのか? あらためて考えてみる。



この説明会の席で越前工務店が平成15年10月8日付けの「事前協議書」に添付して示した西二宮ルート案は消えた。

そして、あらたに「北線ルート」を越前工務店は口頭ながら初めて公けにしたことになる。

ところが、施設の建設がほぼ終わるおよそ半年後になって公表された搬入ルートは1軒の民家の前を通ることのない「北線ルート」ではなく、多くの民家の前を通過する「真光寺ルート」に変わっていたのである。

いったい、なぜ説明会の言葉とは違うコースが浮上してきたのか。

二宮産廃施設建設に対して近隣集落の住民が反発する原因の根幹が、ここにある。

「建設してしまえば、こちらのものだ。既成事実さえ重ねていけば、なんとでもなる」という業者の安直な姿勢が穏やかな暮らしを営んできた住民の感情を逆なですることになったのである。



では、嘘の説明をした越前工務店側にとって西二宮説明会を開く意図は何だったのか? 

施設を造るためだけの目的で西二宮住民の「同意書」が欲しかっただけのことではなかったのか、との疑惑が、ここに生じる。

「住民の同意は必要ない」と県の保健所の長は強い姿勢を示して住民を条件闘争へと導き、「同意書」に印鑑を押させる。

それによって「行政上の手続きは不備のないもの」として許可を下しやすい。

と、誰かが入れ知恵したのか、業者が独自に判断したのかわからないが、住民の同意があった方が無難であると考えた結果の説明会だったのだろうと推測される。

実際、西二宮説明会から3ヶ月半後の平成16年2月19日に県は越前工務店に対して「建築確認許可通知書」を出している。

しかし、周辺集落の真光寺、東山田に説明を行ったのは許可がおりてから半年もたった平成16年7月末日のことだった。

つまり、密接にかかわる2集落になんの説明もなく施設建設にとりかかり、着々と既成事実を積み重ねていった。

現時点では周辺集落の「白紙撤回」の申い入れがなされる中、施設は操業許可を待つばかりの状態までできあがっているのである。

疑惑が深まるのは、やむをえないことではないか…。



話を西二宮説明会に戻す。

業者が引き上げた後、西二宮の住民は本格的な条件闘争をふまえて越前工務店との「交渉人」4名を選挙によって選ぶこととなった。

区長以下、立会人4名、交渉人4名を含め、9名の「産廃施設対策委員」が決められたのだった。

このことも業者側にとって思うつぼだったに違いない、と今になって気がつく。

条件の交渉では相手が少なければ少ないほど、事業を急ぐ者にとって都合がよいのである。

もっとも効果的なのは住民を分断しての個別交渉だが、現在、行政主導で行われているのは3集落合同説明会ではなく、集落ごとに分断しての説明会である。

その結果、何が起こっているか。

集落ごとに説明している内容が微妙に異なるのである。

そのことが、今年3月になってスタートした住民側の「合同連絡協議会」で明らかになっていく。

こうして西二宮は「必要のない」はずの同意書を結ぶ方向へ促されるように向かっていくのである。


2005.04.05 / Top↑
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