上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
その折々に思うけれど、ある人が亡くなると、



「そんなにすごい人だったのか」



と感心させられるのは、いったい、なぜだろう。



同時代に生きていながら、その人となりについて無知であったということか…。







たとえば、マイケル・ジャクソンが急死した。

もともと謎の多い人だったけれど、その死もまた謎につつまれ、死因はいまだに特定されていない。



報道、ワイドショーを問わず、テレビはマイケル・ジャクソンの死を悼みつつ、その裏ではちゃっかり視聴率を計算する。



誰かがマイケル・ジャクソンについて語れば語るほど、

「ほう、そうだったか、そんなにすごい人だったのか」と宙を仰ぐ。



なにしろ思い出されるのは、あの「ムーン・ウォーク」と狼男をモチーフにした「スリラー」だけ。

いずれも、その才能に目を見張ったけれど、心奪われる、とまではいかず。



なぜか、と考えるまでもなく、あの不自然すぎる顔の変化、わたしはどうもいけない。



要するに彼は、アメリカの一大産業であるミュージック・ビジネス界の寵児ではあったが、その姿を見るだけで痛々しくなってきて彼のステージを心から楽しめるという心持ちになれないのが、より哀しい。





もともと、ダンス・ミュージックというようなジャンルについて、あまり興味もなかった。

アメリカの音楽ならば、カントリーが好み。



中学生の頃、まわりがハードロックに夢中になっているのに、わたしだけはCCRという具合。

ジョン・フォガティのあの泥臭い歌声を耳にすると、アメリカの広大な草原や大地、大自然の映像が浮かんだ。



そして、泥臭い歌声を中和するため、その一方でアメリカの女性ボーカルのさわやかな歌声も好んだ。

カーペンターズ、オリビア・ニュートンジョン、あるいは、ちょっと異質だけれどキャロル・キング…。



キャロル・キングが来日したのはいつだったか。

NHKホールでのコンサートを観た。

聴いたのではなく、観たとするのは理由がある。

隣に座っていた若い男、キャロル・キングの大ファンというよりマニアで、全曲ソラで歌う。

キャロル・キングよりも隣の男の声が耳につき、台なしだったことが思い出される。



そもそもコンサートに出向いて心から感動したという経験がない。



ボブ・ディランはアコースティックギターをアメリカに忘れてきたのか、エレキギターで演奏するものだから期待していたものとまったく違う音楽になっていた。



ローリング・ストーンズは、ずいぶん前の席を確保していたけれど、始まる前から回りが立ち上がっていて、座っていたら、ステージも見えない。

それでも、あの年齢にしてステージの端から端まで歌いながら走り回るミック・ジャガーには驚愕。

が、終了後になって席を確保してくれた広告代理店のあるお方、



「あれは、歌ってないよ」



この一言に、愕然、立ちっぱなしでの疲労感だけが残った。



以後、ビジネスに取り込まれた大掛かりなコンサートは行っていない。

こじんまりとしたライブハウスのみ。





さてさて、人が亡くなると、知らなかった情報が耳に入るからなのか、

「惜しい人を亡くした」との思いを強くするけれど、

その一方で、ホンマかいな? という気分も残る。



キミたち、そんなに大事にしていたのかい、なんてことを思うのは、偉大な人物を誉めることで自らの立場を格上げする、という効果を狙っている人々の計算が見えるから。

テレビ業界の浅はかさ、計算高さ、コメンテーターや評論家の薄っぺらさに、マイケル・ジャクソン、「スリラー」のごとく墓の中から出てきて「ニヤリ」と不気味な笑いを浮かべるのではないか。







せんだって、同年齢のTatuwan(日本人)と立ち話をしていたら、彼は静かな口調で、こう言った。



「清志郎が死んで、本当に哀しいね。ただ、こんなに世の中が大騒ぎになるとは意外だったな」



そして、さらにつぶやくように言った。



「加藤周一さんが亡くなったことは、本当に残念だね」



こちらは、もっと大騒ぎして欲しい、と言いたげだった。



加藤周一とは、つまらない表現をすると「知の巨人」とでもいうか…。

医師であり、哲学者であり、文学者でもあり、評論家でもある。

朝日新聞に長きにわたって『夕陽妄言』を連載し、昨年になって連載終了したが、暮れの死の間際まで評論活動を続け、膨大な著作を残して逝った。



いつの時代も先行きなど見えたためしはないけれど、いまほど、こういう人の言葉が人々の指針となる時ではないだろうか、本当に残念だ、とTatuwan(日本人)は言いたかったのではないか。



「うん、うん、本当に残念だ」



と、わたしも心からうなづいた。
2009.07.08 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://noumitaran.blog109.fc2.com/tb.php/60-dd6d83c5

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。