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4月15日、佐渡は祭りのピークを迎えた。

島のあちこちで祭りが繰り広げられ、島の民の気も高揚の絶頂である。





「友達が鬼を舞う」



といって娘が金井新保の祭りを見るためにチビ姫2号、3号を連れてやってきた。



こういう場合、爺というものは随行員としてチビ姫どもの安全を守る役割を果たさなければならない。



学校帰りのチビ姫1号を途中で拾い、1号から3号までそろい踏み、こうなると目が離せない。

なにしろお目当ては八幡宮への宮入り、鬼太鼓4組による競演だ。

4組が一斉に奉納の舞いを演じるのはなかなか壮観で、ギャラリーも、それだけ多いのだ。



肌寒い日だった。

しかし、八幡宮の隣の大慶寺では門前市が開かれ、八幡宮の参道では露店が連なり、祭りらしくにぎわっている。

チビ姫どもには、たまらない光景である。



これは危険だなと思って、ふとチビ姫2号を見ると、さっそく引っかかっていた。

手には、綿菓子が握られている。

というより、握らせられた。

店のオバチャンに手渡されてしまっていて、まだ2歳の彼女を説得する力はわたしにはないので、500円也を払うハメに…。



さっそく1号と2号が食べ始めたら、指先はもちろん、口のまわりまでベトベトである。

2号にいたっては、せっかく三つ編みにしている髪もべっ甲色にツヤっている。

これも祭りならではの味わいというものか。





朱色の鳥居をくぐり、拝殿へのんびりと歩いていくと、若い女の子の集団が背後から次から次とやってきた。

ビックリである。

佐渡中の若い娘が集結したのではないか、と思うぐらい続々とやってきて、むせ返るような匂いと華やぎを放っている。





さっそく好奇心を刺激された。



「きみたち、どこから来たの?」と、聞いてみた。



一人の娘がにこやかにふり返って応えてくれた。



「三条から来ました」



「そう、佐渡にはどうして来たの?」



「研修なんです」



「なんの研修?」



「…」



グループの子を見渡して、考えあぐねている。



「わたしたち、短大で、ええと、研修というふうになっていますが、懇親会も兼ねてます」



「なるほど、要するに佐渡に遊びに来てくれたんだね」



「ふふふ、そうです」



ざっと見ても100人ぐらいはいたのではないか。

今日の鬼たちは、それこそ鬼気迫る舞いを演じるに違いない。





奉納鬼太鼓の競演が太鼓の音とともに始まった。



チビ姫2号は、この大きな音と鬼の面が苦手である。

始まると同時に半ベソをかきながら、小走りにやってきて、わたしの隣にいた若い女の子の背後に隠れるように回り込み、そして、なんと彼女の脚にしがみついたのだ。



「ママじゃないよ、ママはこっちだよ」



あわてて教えたが、必死の形相でしがみついた手を離そうとしない。



「ごめんなさいね」

と言ったら、女の子は笑いながら、

「いいえ、かわいい」



後になって娘が、大笑いしながら、こう言った。



「Tさん、この話をしたら、すごくうらやましがるだろうな」



Tさんとは、もちろん、娘の旦那のことである。





知人の演じる赤鬼だけで、およそ20分の舞いだった。

飛んだり、跳ねたり、中腰のまま静止したり、小走りに駆けたりと、その運動量は並大抵の体力では持たない。



舞いを終えた知人が、そばにやってきた。



「ああ、終わりました」といって、面をはずし、その面をどこかに置きに行こうとした。



「バカだな、お前、鬼の面があるから女の子に声をかけられるんだから、面は頭にのせておけ。お前から面をとったら、ただのデクノボウだろ」



「そうですよね、ぼくも、そう思います、ハハ」



きつい冗談も、お祭り気分だからか、余裕で受けとる。



その矢先である。

女の子たちが群がってきて、

「写真、お願いします」

と、次から次と並んで写真撮影。



その時、「鬼太鼓やっていてよかった」と彼の満面の笑みは間違いなく物語っていた。





それにしても、素晴らしい鬼太鼓の競演であった。



ちなみに、知人の鬼太鼓は、夜中の零時半まで各家を門付けしてあるいたと、翌日、ふらりと現れた彼が教えてくれた。





「お前、何しにきたのよ。疲れているんだろ、家で寝てろ」



と、邪険に扱ってみたが、気にもとめるふうでもなく、前日の鬼太鼓について説明してくれた。



「あんなにモテたのは、人生で最初で最後だろ」



「いえ、あんなの大したことないっすよ」



気分はまだまだ高揚しているのだった。


2009.04.17 / Top↑
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