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この項では、新潟日報の記事に対しての異議を書く。



新潟日報の6月17日付けに掲載された住民による産廃施設の見学の様子を報じ

た記事。

その結びに、施設の担当者のコメントとして、

「中間施設がなければ、建物の解体費用が増え、島内のコストが跳ね上がる」

と書かれている。

その上で、「施設建設の理解を求めた」と記事を締めくくっている。



これは見学の最後に訪れた佐渡環境センター、その社長の談話であろう。



佐渡環境センターの事業内容は、産廃の運搬と保管である。

もし島内に中間処理施設があれば船賃をかけて島外に産廃を運ぶ必要がなくな

り、結果的に島民の負担する解体費用も安くなる、と確かにこの社長は言った。

それを要約して新潟日報のS記者は書いたのだろう。



では、新潟日報のS記者に、次のことを省略した意図を伺いたい。

「木くずを破砕してチップにする機械をいまは使用していない」と、社長は言

っていたはずだが、なぜ使用しないと、言ったのか。

その答えとして、「需要がないから」と、明言した。



「畑にチップをまくことで土を肥やすということだったが、自然農法を考える

人たちにとって、このチップは使いたくないのでしょうね」

と、佐渡環境センターの社長は、じつに率直に語ってくれたではないか。

つまり、木くずといっても天然木ばかりではなく化学塗料、化学糊料、防腐剤、

さまざまな化学物質が使用された建材がチップになっているのだから、当然で

ある。



「だいいちチップにすると量がかさばって運ぶコストが高くなる。それならば

丸のまま運んだほうがいい」



このことは越前工務店の社長も言っていたはずである。



つまり、儲けるものはやるが、儲けのないものはやらない、という企業の論理

である。

その営利追求の企業論理を社会的事業、公共性の高い事業であるから、とすり

替えて住民に施設建設、そして操業を迫っている実態に、なぜS記者は目をつ

むり、耳をふさぐのか。





さらに、もう一点。

佐渡環境センターは、運搬・保管の業務だけである。

じつに整然とした施設である。



しかし、そこからそう遠くないところに野積みされていた産廃の山を、S記者

は、見逃したか?

これも「自社処分」という名目で焼却される木くずを中心とした野積みの山で

ある。

ざっと見てもプラスチック類のほかにも他の物質が混入し、業界で言うミンチ

状態のまま地面に野積みにされていた。

ここでも雨水は地下に浸透しているだろう。



問題は、焼却炉が故障のために使用できない状態になっていたこと。

木くずだけを焼却するのならば、そう故障はないそうだが、ミンチ状の産廃を

焼却すると故障が多くなるといわれているが、その状況が目の前にあった。



業者を責めているのではない。

佐渡環境センターは法律内での作業を行っている、と言うに決まっているのだ

し、そう信じたい。



しかし、法律が欠陥だらけだとしたら、そこに疑義を申し立てることも新聞の

使命のひとつなのではないか、と言いたいのである。



このまま二宮産廃施設が操業されたら、どうなるのか。

多くのことは「自社処分」で済まされてしまう。

あとは四六時中、住民が監視の目を光らせていなければならない事態に追い込

まれるのである。



そのような迷惑な施設を誰が好き好んで認めるのか。

反対の意思を示すのは当然ではないか。







そこで、もう一度、新潟日報の記事の締めくくりの文章について、考えてみる。



 「中間施設がなければ、建物の解体費用が増え、島内のコストが跳ね上がる」

 と、施設建設の理解を求めていた。



こうした書き方を平然とやってのける新潟日報は、新聞の社会的使命を、どう

考えているのか、確かめてみたいのである。



手元に数多くの産廃訴訟を手がけてきた弁護士、梶山正三氏の優れた著作『廃

棄物紛争の上手な対処法』(発行 民事法研究会)がある。

梶山正三氏は、このブログにもリンクさせていただいているゴミ弁連(ゴミ弁

護士連絡会)の会長を務め、産廃施設建設の推進派にとっては恐るべき存在で

ある。



おそらく新潟日報のS記者も産廃問題を手がける以上、梶山氏の著作を資料と

して読み込んでいるのではないかと思われる。



その前提で書かせてもらうが、S記者は、「中間施設がなければ、建物の解体

費用が増え、島内のコストが跳ね上がる」と本気で思って書いたのか、どうか。

それとも施設の担当者が語ったという括弧付きの言葉で逃げているのか。



梶山弁護士は、その著作の「第二章 廃棄物をめぐる法令のあらまし」の冒頭

の「はじめに」で、こう述べている。



  今の日本の法制度は、「高コストゴミ処理」「高コストリサイクル」を固

 定化させて、その高負担分を消費者に負担させるという構造を貫いている。

 これではゴミ問題は深刻になる一方なのは当然である。しきりに言われてい

 る「有料化」は、この構造を固定化する役割を果たすだけである。

 (中略)

  消費者や市町村は、ゴミ処理やリサイクルの構造が、このように「ゴミ増

 量の推進」体制にある間は、厚生省のいうことに協力すべきではない。協力

 すればするほど、ゴミ処理費用やリサイクル費用は高騰して、消費者は負担

 増を強いられ、その部分は、ゴミ処理プラントメーカー、リサイクルプラン

 トメーカーや一部の官僚の懐を肥やし、しかも「発生抑制」は一向に進まな

 いという結果になるからである。

  思うに、廃棄物政策のなかでは、三流の政策であるリサイクルが、あたか

 も一流の政策であるかのようにいわれるのは、国の巧妙な誘導があったから

 でもあるが、「金をかけてもリサイクル」することが「地球環境を守る」と

 いう学識経験者と称する者の巧言に簡単にだまされる市民も悪いのである。



S記者にあらためて問いたい。



あなたが書いた記事の最後の締めくくりは、あなたの考えなのか?

それとも、梶山弁護士の言う「学識経験者と称する者の巧言」で佐渡市民を騙

そうとしているのか。



これを読まれている方のために、梶山氏の著作の引用をさらに続けさせていた

だく。

「廃棄物政策のなかでは、三流の政策であるリサイクルが、あたかも一流の政

策であるかのようにいわれる」と述べていることの説明が必要だと思われるか

らだ。梶山氏は、こう指摘している。



 「今日の製品は明日のゴミ」。スウェーデン環境保健庁のパンフレットにそ

 う書いてあった。日本にも「形ある物、必ず滅ぶ」、万物喪失という言葉が

 ある。物を造ればそれは必ずゴミになるのだから、ゴミを減らすには、製品

 自体を減らす、つまり、物を造らない、または製品を一〇〇年ぐらい使える

 ように長寿化することしかないはずだ。そして、ゴミの「質」も製品の段階

 で決まる。ゴミ問題の解決は製品の製造段階に鍵がある。

  そうすると、ゴミとなって排出された後よりも、それ以前の段階が決定的

 に重要である。ゴミ問題は、このように「排出前」の問題と「排出後」の問

 題を分けて考えなければならない。たとえば、「リサイクル」とか「適正処

 理」とかいうのは、「排出後」の対処方法であるから、ゴミ問題の根本解決

 にはほど遠い。

  そこで、ゴミ政策としては、一流の政策は「発生抑制」、つまり排出前の

 生産段階からの対処、二流は「リユース」、つまり排出されたものをそのま

 まの形で使う。三流は、「リサイクル」、つまり排出されたものを原料とし

 て生産工程に再び投入する。そして、四流は「適正処理」、つまりどうして

 もゴミになるものは環境に影響がないように適正に処理するというわけだ。

 なんといっても「発生抑制」こそゴミ問題解決のキーワードなのである。こ

 のような政策の優先順位は八六年のドイツ廃棄物回避管理法に明記され、現

 在では国際的にもコンセンサスを得ている。

  ところが、こんなに簡単明瞭なことが日本の廃棄物法制度には全然ない。

 日本の廃棄物法制の特徴は三つある。

 (1)排出された後のことしか考えていない。つまり「ゴミの後始末法」である。

 (2)排出事業者や製造事業者の責任(処理責任、回収・引取責任など)を極力

 軽減するための配慮が貫かれている。

 (3)廃棄物処理費用の高騰化を市場メカニズムに通さずに消費者に転嫁する。

 

さて、S記者がほのめかしているように、中間処理施設を建設、稼働させれば

島民のコストは間違いなく下がるのか?



一時的には下がるだろうとは思われる。



しかし、社会の木鐸であるとおっしゃるのなら、そのような一時しのぎの巧言

を労してはいけない。



処理施設が増えれば増えるほど、ゴミを減らすわけにはいかない。それがこの

国の政策であり、現状ではないのか。



そこまでわかっていながら、施設の操業に反対するのは二宮地区の人々の“住

民エゴ”であるかのような印象を与える書き方をしたとするならば、住民を愚

ろうしているか、行政の手先に成り下がったとしか思えない。

梶山弁護士が言うように、ここで施設の操業を簡単を認めることは、根本解決

の道である「発生抑制」を遅延させるだけである。



次回は、S記者が、故意になのか、うっかり聞き漏らしたのか、記事には反映

されなかった佐渡環境センター社長の重要な談話について書きたい。


2005.06.20 / Top↑
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